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50億円寄付の「ルイ・ヴィトン」親会社のCEOが語る 税控除とリアーナ、「エミリオ・プッチ」

LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は4月18日に年次株主総会を開催し、ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼最高経営責任者(CEO)がさまざまなトピックについて話した。

イギリスの高級旅行会社ベルモンド(BELMOND、旧オリエント・エクスプレス・ホテルズ)の26億ドル(約2886億円)での買収が完了した数日後だったこともあり、アルノー会長兼CEOは“体験”が今後力を入れる分野の一つであることや、社会や環境に貢献することの重要性について語った。「当社はクリエイティビティーと高品質、そして起業家精神を経営理念としてきたが、新たに“人生の意味を探すこと”を付け加えたい。それを分析して熟考し、顧客やパートナーに提供していく」と述べた。

またLVMHとアルノー会長兼CEO一家は、4月15日に火災が発生したパリ・ノートルダム大聖堂の再建のために2億ユーロ(約252億円)を寄付する。これが“税控除目的ではないか”と批判を受けていることに対して、同氏は「今回の寄付は税控除の条件を満たしていないので、控除目的だというのは根拠のない議論だ。嘆かわしいことに、現代のフランスでは公共の利益になることをしても批判される。他国であれば称賛されるところだ」と述べ、LVMHグループの行動を支持しているならその旨をインターネット上で発言するよう株主らに呼びかけた。

ロイター通信によれば、アルノー家が保有する会社は利益を上げていないため、そしてLVMHはルイ・ヴィトン財団(Fondation Louis Vuitton)設立の際に控除枠を使い切っているため、いずれも寄付による税控除の対象外だという。

同氏はまた、LVMHが擁するケンドー(KENDO)と歌手のリアーナ(Rihanna)が提携している化粧品ブランド「フェンティ ビューティ バイ リアーナ(FENTY BEAUTY BY RIHANNA)」の成功にも触れ、近日中にスキンケア分野に進出することを発表した。リアーナの名を冠したラグジュアリーブランドを立ち上げるのではないかというウワサについては、「リアーナに関心が集まるのはわかる。彼女は素晴らしい歌手だし、私も関心がある。当社はサプライズを提供することを大切にしているので、楽しみに待っていてほしい。しかしサプライズなので、これ以上は言わないでおこう」と発言するにとどめた。

傘下ブランドについては、「フェンディ(FENDI)」のウィメンズ・コレクションのクリエイティブ・ディレクターを50年以上にわたって務めたカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)氏へのオマージュを込めて、同ブランドが7月4日にローマでショーを開催することを発表した。なお、5月31日に上海で同様のショーが開催されることも後日発表された。

「ディオール(DIOR)」は、パリ・モンテーニュ通りの本店を全面改装する間、シャンゼリゼ通りに期間限定の店をオープンする。3層の建物で全製品カテゴリーを扱うこの店は今夏にオープンする予定だが、同氏は「それまでに“黄色いベスト”デモが鎮静化し、問題が解決していることを願っている。そうではない場合、オープンを少し先延ばしする」とコメントした。

同社が伊ブランド「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」を売却するのではないかというウワサについては、「売却の予定はない」と答え、これを一蹴した。なお、同ブランドのクリエイティブ・ディレクターを務めていたマッシモ・ジョルジェッティ(Massimo Giorgetti)が17年4月に退任して以来、後任は不在のままとなっている。

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